おうちで始める抹茶の世界
基本の道具と美味しい点て方をデータで読み解く
なぜ今「おうち抹茶」が人気なの?
近年、自宅で抹茶を楽しむスタイルが急速に広がっています。その背景には、現代人の心と体の健康に対する意識の高まりがあります。日本の抹茶市場の成長データと共に、その3つの理由を探ります。
日本の抹茶市場は成長中
国内の抹茶市場は安定した成長を続けており、2030年には約600億円規模に達すると予測されています。この成長は、健康志向の高まりや、抹茶が持つ「マインドフルネス」な側面が注目されていることを示しています。
年平均成長率 7.6%
(2024-2030年予測)
① 心を整える時間
🧘
抹茶を点てる一連の動作に集中することは「飲む瞑想」とも言われます。日本のメンタルヘルスアプリ市場が年平均15%以上で成長していることからも、人々が心を落ち着ける時間を求めていることがわかります。
② 美容・健康効果
茶葉を丸ごと摂取する抹茶は栄養の宝庫。特に抗酸化作用のあるカテキンやリラックス効果のあるテアニンが豊富。健康志向の消費者に支持されています。
③ ON/OFFのスイッチ
☕
コーヒー
急激な覚醒
🍵
抹茶
穏やかな覚醒
テアニンの働きでカフェインが穏やかに作用。集中したい時もリラックスしたい時も、気分を切り替えるのに最適な一杯になります。
意外とシンプル!基本の道具
「道具を揃えるのが大変そう」と思われがちですが、基本は4つだけ。スターターセットなら、さらにお得に、そして迷わずに始められます。
必須アイテム vs スターターセット
個別に購入すると合計で1万円を超えることもありますが、多くのメーカーが提供するスターターセットなら、デザイン性の高い茶碗などがついて7,000円〜12,000円程度で全て揃います。初心者には断然おすすめです。
🍵
抹茶
主役。まずは20g~40gの「お薄用」から。
🎋
茶筅
抹茶を点てる必需品。80本〜100本が標準。
🍚
茶碗
少し大きめのカフェオレボウルでも代用可。
🥄
茶杓
抹茶をすくう匙。ティースプーンでもOK。
美味しい抹茶の選び方
抹茶選びで失敗しないためのポイントは、用途を間違えないこと。市場のほとんどは、お菓子作りにも使われる安価な「加工用」です。
「お薄用」を選びましょう
そのまま飲むためには、苦味が少なく旨味の強い「飲用(お薄用・お稽古用)」グレードを選ぶことが最も重要です。加工用は安価ですが、苦味やえぐみが強く、美味しく飲むのは難しいでしょう。
-
✔
少量から試す
開封後は風味が落ちやすいので、20g〜40g缶がおすすめです。
-
✔
少しだけ奮発する
初めの一杯こそ、1,500円〜2,000円(40g)程度の良質なものを選ぶと、抹茶の本当の美味しさに出会えます。
プロが教える美味しい点て方
3つの「ひと手間」で、驚くほどクリーミーで美味しい抹茶が点てられます。このフローに沿って、ぜひ挑戦してみてください。
準備:道具を温める
茶碗に湯を入れ、茶筅の先を浸して穂先を柔らかくし、茶碗全体を温める。その後お湯は捨てる。
【ひと手間①】抹茶をふるう
茶杓2杯(約2g)の抹茶を茶こしでふるいながら茶碗に入れる。ダマがなくなり、きめ細やかな泡立ちに。
【ひと手間②】お湯は80℃
70mlのお湯を注ぐ。沸騰したお湯を別の器に一度移すと、約80〜90℃の適温になります。
【ひと手間③】手首のスナップで「m」を描く
底の抹茶を溶かした後、手首のスナップを効かせて茶筅を素早く前後に振る。アルファベットの「m」を描くイメージで15秒ほど。最後に表面の泡を整えるようにゆっくり茶筅を動かし、中央から静かに引き上げる。
完成!
コメント